現生人類とネアンデルタール人・デニソワ人との関係
スウェーデン人の進化遺伝学者のスヴァンテ・ペーボ博士は、現生人類のDNA情報にネアンデルタール人由来の遺伝子が2%程度存在していることを発見した業績で、ノーベル医学生理学賞受賞した。
それまでは、現生人類とネアンデルタール人などの人類亜種は遺伝的なつながりが不透明であったが、ネアンデルタール人やデニソワ人が我々の先祖のグループの一つであることがわかった。
どこで混血したか?
アフリカ人のDNAにはネアンデルタール人やデニソワ人由来の遺伝子が確認されていなかったため、現生人類の出アフリカ以降に混血が起きたとされている。(※ただし、2020年にセルで原生アフリカ人のDNAにもネアンデルタール人の痕跡があるという論文が発表されており、人類の交雑の過程はより複雑であると考えられている)
ネアンデルタール人はメソポタミアやヨーロッパで混血したと考えられている一方で、高山地帯での活動が可能な遺伝子を獲得したデニソワ人は、山脈を超えてユーラシア大陸の東に広がっていた可能性があるため、シベリア地域などで混血が起きた可能性が示唆されている。
現生人類のアフリカ大陸からの移動は、5−6万年頃に発生したと考えられているが、20万年前にはアフリカ大陸の東部への移動は始まっていたため、現在では、長い時間をかけて交雑が起きていた可能性についても研究が進んでいる。
引き継いだ遺伝子
それぞれの人類亜種から引き継いだ遺伝子は、現生人類の特徴ともなっている。いかに代表的な例をピックアップして挙げておく。
- ネアンデルタール人由来
- SLC16A11:糖尿病に関する遺伝子
- デニソワ人由来
- EPAS1:高山地帯での活動を可能にする
まとめ
UMAついて、個体として人類亜種の発見はないが、我々現生人類の中に遺伝子として残されているという事実は、興味深い。現生人類と人類亜種がどのように交流していたかについて、今後の研究の進展に期待したい。